琴線にふれる

琴線にふれる

長いことサラリーマンをしてしまった。結婚もしてしまった。

分厚い幸せの皮にやさしく包まれて、
かつての儚く、壊れやすい感性のようなものは深く埋もれるようになってきて、
自分でもその存在を忘れてしまったような、失ってしまったような気がしていました。

しかし、岩井俊二監督の新作、「リップヴァンウィンクルの花嫁」を観て、じわじわと嬉しくなった。
忘れかけていた、心の芯の部分にアクセスして、呼び起こしてもらったような感覚です。

岩井監督の作品には、主に10代の時、心奪われて、かなりの影響を受けた。
特に学生の時は、理性のスイッチを切って街をさすらうのが趣味のようになっていたけど、
その時の状態は、岩井俊二監督の作品の深さと同じところに潜っているような感じ。
そういうひとが、日本中にたくさんいて、そのうちの一部の人々が作品づくりに関わっていて、
まわりにいる大勢が、私と同じように、いつも新作を待っているんだなぁ、と思うと、心の一部分がすごく満たされる。

仕事を通して、作品づくり、映像づくりなんかに立ち会うこともあるし、
映画というものの素晴らしさを、より実感をもって理解することができるようになってきた。
大人になるって、こんないいこともあるんだな、と思う最近です。

▼リップヴァンウィンクルの花嫁

作中のクラシック音楽は、個人的に10代のころのいろいろを思い出すものばかり。
「リリイ・シュシュのすべて」のドビュッシーのピアノみたいに、今回の作品のモーツァルトとか、フォーレのシシリエンヌは、中学生のときにフルートでよく演奏した。バッハも、違う曲だけど吹いてた。
フルートの曲が多いのも個人的に嬉しい。フルートの音色と、黒木華さんの存在感、すごく相性がいい。

GYAOでも、別編集バージョンがみれます。

日曜の夜にそういう感性がぱかーっと空いていることが多くて、そういうときはラジオを聞きます。
野村訓一のantenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING

ふらふらと、近々旅に出たいと思います。

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