でも、さっきそうおっしゃったじゃねぇか!

だって、ものすごく強い言葉。しかも一瞬間を置いて思わず笑っちゃう。
そして本のタイトルは『絶叫委員会』
もろタイプ。これは即買でした。
歌人で、散文なんかも出版されてます。
雑誌とか、文庫本の解説なんかで目にしたことがあるような。
しっかり本を買ったのははじめてでした。
日常の中にぽっと現れる、絶妙な言葉たち。
何気なく聞き流してしまいそうなそうした言葉たちを、
鋭い感性で切り取って見せる、秀逸なエッセイ集です。
電車の中で聞こえる「なんじゃそりゃ!」な会話だとか、
立て看板や電柱の広告の妙な言葉、
パニックに陥った人が口走ったおかしな一言。
一つ一つが面白くて、声をあげて笑いながら一気に読んでしまいました。
ここで取り上げられているような言葉たちには
誰もが日々接しているはず。
でも、それをいちいち指摘できるほど
言葉への感度が高い人はそうそういない。
著者は、愛すべきおかしな発言をぶっぱなしまくる
同級生に羨望し、自分にはそれらをメモすることしかできない、と嘆く。
でも、そうした些細な言葉に気づける感度と、
冷静に、ユーモアたっぷりにそれらを紹介する技術には
静かな自信を持っているように思え、なんだか著者に興味が湧きました。
小説も文庫化されたようなので、ぜひ読んでみようと思います。
絶叫委員会
著者:穂村 弘
筑摩書房(2010-05)
販売元:Amazon.co.jp