Jan 4, 2011

切り取れ、あの祈る手を/佐々木中


”取りて読め。筆を執れ。そして革命は 起こった。”

2010年に話題になっていた本ですが、お正月休みを使ってやっと読み始めました。

本を読むということはどういう事か、徹底的に語った本です。
「他人が書いた本など理解できるわけがなく、もし理解できてしまったとしたら、もう発狂してしまっている。」とし、それでもなお「読む」そして「書く」こととはどういう事なのか。
革命の本体は文学だ、という論を軸に、歴史上の革命を紐解く形で語ってゆきます。

その語り口の鋭さと、熱量に圧倒されそうになります。
特に第三夜後半からの、感情を込めて終末論を叩くあたりからは、
私の頭上で危険を知らせる赤いランプがファンファンと回っていました。じゃあ不快か?というと、そんなことは決してない。

「一夜」「二夜」というように章が分かれていて、
それぞれが講義のようになっているのですが、

一夜読み進めるごとに「本を読もう!」という情熱が自分の中から沸き上がってくるのを感じて、すごく気分がいい。
なんだか元気が出てきました。

著者自身がはじめに書いているように、
この本に言いくるめられてしまうようなことになっては
いけないのです。それは非常に危険だし、浅はかなことです。

じゃあどうするか?
本を読むしかない!

著者の読書量は半端無く、それはこの本の力になってグイグイこちらを圧倒してきます。これに耐えるには原典にあたらなければ!
そんな気分にさせてくれます。

こむずかしそうな装丁やテーマですが、
哲学書や聖書を読む、という行為に対する考え方を変えてくれ、
「なんか、一生懸命本を読むわたし、かっこいいじゃん!ようし、負けねぇ!」
ってゆうポップな元気を与えてくれる本でした。

ライムスターの宇田丸さんが、
”背筋が伸び元気が出る圧倒的正論!”って帯に書いていて
ん?そんな本には見えないけど?と違和感を感じていたのですが、
読んで納得。私もだいたいそんなふうに受け取りました。

そんな、読んで損はしない本ですので、
「本」「文学」「藝術」に少しでも興味のある方は、ぜひともご一読を!

切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話切りとれ、あの祈る手を—〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話
著者:佐々木 中
河出書房新社(2010-10-21)
販売元:Amazon.co.jp

・・・いやいやそもそも佐々木中って誰よ?どっから出てきた?
って方、 ご安心を。

ご本人も その問には慣れてらっしゃるようで、冒頭に丁寧に書いてくださっていますよ。

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