Jan 20, 2011

脳内BGMの再現


夜中にベランダに出たいからタバコを吸うのか、タバコが吸いたいからベランダに出るのかよく分からなくなってきました、と、彼女は立派なお墓ビューのベランダで一人つぶやくのでした。一月の夜はそれは寒く、ここは東京で、東京はそれなりに寒いのです。明日は立派なパンティを買いに行こうと思います。それは立派な、文句の付けようのないレースの、シルクの、美しいものがよいと奈緒子が言います。奈緒子は昔から思いつくとすぐに行動に移すタイプで、そうなってしまうとそれまでに決まっていた約束とか、平日には会社に行かなければならないという、世界中の多くの人が従っているルールとか、軽く飛び越えて見えなくなってしまうので奈緒子についてゆくのは大変です。私はいつも裏切られ、損をしているように思います。大根が安かったから明日調理しようと思って買って帰っても明日には大根なんか食べたくない!と泣き出して、しぶしぶまたスーパーに行くことになって大根とはなんの関係もないバナナとか、ポテトチップスとか、ハーゲンダッツをかたっぱしからかごに突っ込むつもりなのでしょう、それが奈緒子です。体育の授業のマラソンで急にバスに乗りたいと言い出して隣町まで行ってしまってさんざん泣かせた上に先生とお母さんにものすごく怒られたのも奈緒子で、小さい時の写真にいつも変な顔でうつっているのも奈緒子で、奈緒子はわたしで、いつも怒られるのはわたしです。

奈緒子を憎んでいるのはわたしで、奈緒子を殺したいのも私で、この日記はフィクションです。 

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 さっきスーパーに行く間の脳内BGMを再現してみたけど、ぱっとしないぜ。くそう。なんか全然違う気がする。
お付き合いありがとうございます。

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