Jan 29, 2011

『進撃の巨人(1〜3巻)』諌山創


昨年から、最も注目を集めている作品、といっても過言ではないと思う。
少年マガジンで現在も連載中で、2011年マンガ大賞にもノミネートしています。

巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。

人間を食べる巨人達から逃れるため、壁を何層にも作った街を作って、そのなかで暮らす人類。
巨人たちに怯えて壁の中で暮らすことに屈辱を感じ、壁の外に出たいと願っていた少年エレンは、
壁を破って巨人に襲来された時に、目の前で母親を食べられてしまう。

その5年後、訓練兵となったエレンと、彼以上に武力を持った少女ミカサ、
体力がなく弱虫だが、明晰な頭脳を持った少年アルミン。
彼等を中心に、巨人たちと人類の戦いが描かれる。
去年、1巻の途中まで読み、評判の良さに疑問を持っていました。
絵は動きが無く、あまり魅力がないし、コマ割りも未熟、
巨人が気持ち悪すぎるし、設定が斬新っていうだけの作品?と思っていました。

それでも、世間の評価は高まるばかりで、
評価している人は、どこがいいと思っているのだろう?という
興味を持っていたところ、
職場の同僚が絶賛しながら貸してくれたので、現在発売されている3巻までを読んでみました。

改めて感想を言うと…
あ、面白いかも…!!!!

はじめ、「設定が面白いだけじゃん?」と思ったのですが、
まあ、そのとおりかもしれません。

しかし、3巻まで読んでみると、設定の面白さが、はじめに思っていたよりも結構面白い、ということに気づき、

「設定が面白いだけじゃ〜ん」→「設定が面白いんだよ!!」

くらいの変化がありました。

読み進めてゆくにつれ、巨人に怯えて暮らす、未来の人類という設定の奥にある「歴史」が、
かなり練られて作られているのがだんだん垣間見えてきたのです。

現在読者に見せているのよりも
ずっと深く、複雑な歴史設定があるんです。

それを、少しずつ小出しにしてゆくのですが、
ひとつの謎が分かると、それにともなってさらに謎が増えてゆく。
「え、これはどうなの?」という興味がどんどん膨らんでゆく。

読めば読むほど、もっと知りたいという興味をそそられます。

また、この設定を通して描かれるのが、
人間の弱さだ、というところに今っぽさを感じます。

巨人に立ち向かう兵士たちが、あまりの恐怖に戦意喪失し、
病んでしまう。

お腹から下を食いちぎられた彼氏に、泣きながら人工呼吸をする女の子や、
「よし!」といって笑顔で自殺する少年に、
戦慄を覚えました。

あまりの恐怖に思考停止してしまい、
味方であるはずの人間に牙を向いてしまう人間の弱さも、
執拗に描きます。

こうした、「勇気」があまりにももろく崩れ去るところに
ちょっとぐっとくるものがあります。

また、気持ち悪〜い巨人の描写にも、ある意図を感じずにはいられません。
巨人たちは、4m〜60mとサイズもバラバラだし
体つき、顔つきにも個性があります。
まさに、人間そのもののように描かれています。

巨大な力で弱いモノを食い散らかすのも人間、
力なく食べられるのも人間、
自分よりはるかに強い相手に果敢に立ち向かうのも人間、
恐怖のあまり自我を失うのも人間です。

巨人との戦いよりも、
むしろ巨人(強いモノ)と人間(弱いモノ)という関係に絶望する描写や、
恐怖のあまり自殺にはしろうとする人間の描写に力をいれているように見えます。

冒頭に書いた、今年のマンガ大賞のノミネート作品でもある
アイアムアヒーロー」にもちょっと似ているところがあります。

どちらも、今のところ読んでいて気持ちいいものではないですが。
人が人を容赦なく惨殺する世界。。。
その救いようのない暗さを、突き抜けるような、
希望の持てる結末へと向かうことを期待しています。

よくある襲来型アクション作品…と思いきや、
ちょっと違いそうなこの作品。
これからどういう展開になるのか、結構楽しみになってきました!!

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)
著者:諫山 創
講談社(2010-03-17)
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