ハロルドとモード@下高井戸シネマ

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”毎日新しいことをするといいわ。人生は短いのよ。”

ハロルドとモード

19歳のハロルドは、あらゆる手段で自殺の真似事を繰り返す日々を送っています。他人の葬式に参列する、という趣味もあり、ある葬式で同じように他人の葬式に参列していた79歳の女性、モードと出会います。
感性豊かに生を謳歌しているモードに、ハロルドは次第に惹かれてゆきます。

終わってから書くなよ、という感じですが、先週まで下高井戸シネマで上映していました…。でも、人気の作品なので、度々上映されているようです。また観るチャンスはあるのでは、と思います。

あと、大きな声では言えませんが、ニコニコ動画でも観れます。
はじめはこの映画のこともよく知らず、観に行くつもりもなかったのですが、何気なく下高井戸シネマの上映情報を観ていて気になって検索すると、ニコニコ動画が引っかかり、試しに見てみよう…と思ったらおもしろすぎて気づいたら最後まで見てしまいました。
これは!と思って翌日はスケジュールを無理やりねじ曲げて映画館に行きました。

この映画、ちょっと斜に構えて見たほうが面白いと思うのですよ。その点、ニコニコ動画での視聴は結構面白かった。何度も出てくる自殺シーンを茶化したり、それに慣れきった母親にも突っ込んだり、モードの破天荒な行動に「wwww」だったり。映画自体とコメの面白さで倍笑った気がします。

翌日、映画館でみると、全く別物。これは間違いなく大好きな映画だ!と思いました。絵画をネットでみるのと、美術館で観るのが違うように、映画をネットやDVDでみるのと、映画館で観るのは全く別物です。自分の価値観が圧倒されるような体験は、映画館でしかできないもののようです。

この映画は、「生き方」にダイレクトに問いかけてきます。

ハロルドとモードには共通の趣味があります。他人の葬式に行くこと。でも、死への二人の受け取り方は全く違います。

自殺ごっこを繰り返すハロルドは、死への憧れというか、死こそが自分のあり方だと思っているようなところがありました。それに対してモードは、生と死は繋がっている、と信じています。葬式と生について語るモードは、本当に生き生きしています。

植物を愛し、死にかけた植物を助けるモードは、自殺ごっこを始めるきっかけとなったハロルドの打ち明け話を聞き、しっかり受け止めた上で、それは生から逃げているだけよ。生きなさい、と力強く、優しく背中を押します。この場面には、本当に励まされます。

あと、冒頭に書いた、新しい体験が好きだ、とモードが言う場面。車泥棒をするモードをハロルドが咎めると、「盗られて怒るのは物に執着しているからよ。いつまでもあると思わないこと。」このセリフにもハッとしました。物を持たないこと、何にも執着しないこと。それだけで軽やかに、強く生きることができそうです。

そんな素敵な言葉がたくさん詰まった作品です。
セリフのやり取りと映像の切り替えのテンポだとか、よく分からない斬新な効果とか、映画自体も軽やかで、楽しめます。 

ちなみに、作中にも一瞬登場する監督は、ニコ動のコメを借りれば「全力でヒッピーw」ですw 

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