Apr 17, 2011

ままごと『わが星』@三鷹市芸術文化センター


□□□の「00:00:00」という曲をご存知でしょうか。

この動画では□□□の歌詞やラップが入っていますが、このバックトラックを全編に使った、セリフがラップ調のお芝居があります。

2010年の岸田戯曲賞受賞作、柴幸男脚本・演出『わが星』という作品で、今ちょうど再演をしているので観てきました。ちなみに、音楽担当□□□の三浦さんが生で音を流していました。

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人間が生まれてから死ぬまでの時間と、惑星が生まれてから死ぬまでの時間を重ねあわせて、団地に暮らす家族を中心にして描きます。

地球が回ると一日になる、ということ、また、100万光年離れた星の光が地球に届く頃にはもう元の星は滅びている、ということなど、時間というのが中心になっていて、そのなかで生まれて死ぬ人間を通して惑星の誕生と滅亡が描かれます。

…というとどういうものか想像しにくいと思いますが、家族の団らんや誕生日の場面なんかと、滅びた星の残光を見ている男子生徒と先生の細切れなシーンがリンクして行くのがとても楽しい。
同じシーンがループして少しづつ変化していったり、同じラップが繰り返されたりする。

大きなストーリーがなく、断片のつなぎあわせなのに何故か涙が出てしまうのは、音楽のようなこの繰り返しによるところも大きいかもしれない。

私は、母親と父親のセッションのところで涙が止まらなくなった。時間で区切られたそれぞれの朝から夜までの仕事、家事、生活、そして毎日帰るのは、団地の中のあかりのひとつ。それが「わが星」だという。家族って言われると泣いちゃうじゃないか。やめてくれ。

エクス・ポに載っているインタビューでは、音を一つづつ録音してループさせながら重ねていく音楽に着想を得て『反復かつ連続』という作品を作ったと言っている柴幸男さん。この『わが星』は、ヒップホップのつなぎあわせと、ラップによる、音楽的な作品です。不思議な高揚感のある作品でした。この『わが星』を上演したときに、終演後のロビーのざわめきがいつもの違った、と柴さんは語っています。多幸感に溢れていて、異様な雰囲気だったそう。分かる気がします。心をヤワヤワにされた感覚です。

死を描いているんだけど、ひとつひとつの死に対して、それを全部包みこむような大きなものも描かれていて、あたたかい肯定的な感じがあります。偶然だけれど、今の時期にこの作品を観る意味というのがあるように思います。

 

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