射ぬかれて

NO IMAGE

“一日三回、毎日食べると仙人になれる”と言われている松の実は美肌効果とアンチエイジング効果があるので、日曜日にスーパーで見かけてすかさず買ってきた。しそと合わせて和風ジェノベーゼパスタにしよう♪と意気込んで急いで仕事を片付けた月曜日の今日、帰宅してキッチンをみたら空の袋がゴミ箱に…。どうやら昨日、DVDを見ながらビールを2本飲んでる間に食べてしまったらしい…。しょんぼり。残ったしそはどうしよう…。

ちなみに、観ていたDVDは『イージーライダー』で、なぜかというと、デニス・ホッパーだ。で、なぜデニス・ホッパーかというと、土曜日に吉祥寺バウスシアターで観た、ヴィム・ヴェンダースの『パレルモシューティング』だ。

これが、今の気分にぴったりきてよかった。

もっと難解な作品かもしれない、と覚悟していたけど、冒頭の“主人公がパンイチ仁王立ちで、ガラス張りの寝室から朝焼けのライン川を見下ろす”という、「本人真面目だけどダサいってそれ!」という出だしですっかり安心。主人公のカッコつけてるのに不器用なのもかわいいし、映画自体もすごく純粋だった。

大好きな『パリ、テキサス』なんかを劇場上映するときは、よし、見るぞ、という感じで出かけるけれど、この映画はもっと、ふらりと立ち寄る感じで観に行く種類のものだった。頭の中でうわんうわん渦巻く言葉を黙らせる必要なく、自分のことで悩んだり迷ったりしながら観て良いタイプの作品で、それでいて映画的な、はっとさせられる部分もある。

“自分で見たものしか信じない”という主人公の視点で描かれていた物語にフラヴィアの視点がすっと入ってくる瞬間は、すごく美しかったし、セリフひとつでそんなことをやってのけるのはさすが。それに、古典的なホラーの手法をつかってちょっと脅かされるんだけど、その末に出会ったフラヴィアに恋する瞬間。ふんわりとした甘い匂いがただよってくるような優しい光に、安らかな気分になった。こういう恋の落ち方って、いいなぁー。

ただ、デニス・ホッパーが自身のパロディのようなセリフをしゃべるところとか、デジタルとフィルムの話の部分は、ストーリーではない問い掛けだった。“映画作品”という枠の中だけじゃなく、役者の人生だとか、映画を取り巻く状況とかもろもろ加味した上で直接問いかけてくる。

友達の愚痴を聞いているはずが、なぜか聞きながら自分の問題が整理されてむしろこっちが元気になってしまう、という現象と同じようなものが起こり、なんかよく分かんないけど元気になっちゃいました。

「死を恐れるということは、生を恐れるということだ」というセリフがあったけれど、普段だったら「別に恐がってないし!」って強がっちゃう私も、それまでさんざんビクッとさせられた後だったので、もう説得力に負けて「はい、すいません、がんばります」という感じになりました。私にとっては「若者、しっかりせい!」という死んだじいちゃんからの喝のようで、ちょっとほっこりした。

ほっこりしたら、じいちゃんの若い頃のハチャメチャぶりをみたくなっちゃったんですよねー。で、イージーライダーを観た日曜のよるだったのでした。

観るカテゴリの最新記事