映画も小説やその他のあらゆる本も、美術も好きだけど、「漫画が好き」と胸を張って言えない。
そこまでたくさんの漫画を読んできた訳ではないし、どうしてもボーイズラブ系の漫画に手が出せず、でも注目の漫画家というのはその辺のジャンルから出てきたりするので、最先端を追えていない、という引け目を感じてしまう。
そんな訳で、ヤマシタトモコの作品を手に取ったのもつい最近のこと。
最新作の「ひばりの朝」がなんだか気になる作品だったので、ちょっと前の作品ですが「HER」を読みました。
女子高生や、私と同じ年くらいの女性、少し上の年代の女性、ずっと年上の女性・・・
内面の描写がとても丁寧で、かつて持ったことのある感情や、いま悩んでいることを重ねて見たリする。
村上春樹がインタビューかなにかで、20代後半は独特の焦りや不安がある、と言っていたけど、
いま、まさにその渦中にいるような気がします。
好きなことをやり続けて結果が出ていたり、自力で仕事をやっていたり、
結婚していたり、子供を産んでいたり。
人それぞれ、生き方の違いが大きく出てくるお年ごろ。
自分にだけ何も起こっていないようで、ちょっと不安になる。
顔面からすっ転んでずるっずるの泥まみれになって膝小僧すりむいてそこから泣きながら自力で立ち上がって走り出す女の子が大好きなんです!!
とあとがきにあったけど、まさに毎日そんなかんじ。
とにかく苦しくて辛いけど、誰かに応援してもらえる訳でもないし、
というか誰の視界にも入っていないし、突っ走った先が自分の望む場所なのかどうかも分からない。
でも、とりあえず何度でも立ち上がって進むしかないのですよね・・・。
ルンバのような人生。。。
ちょうどこの漫画を読んでいたときに、話題の映画『桐島部活やめるってよ』を観ました。
学校の中のヒエラルキー、毎日の憂鬱を思い出して、あの日々の大変だったことなんかが実感を伴ってよみがえってくる・・・。
日常はいつだって憂鬱なものだから、突き抜けるエネルギーをもってどうにか、なんとかしなければ。